主に見附・栃尾の染色工場にて染色加工を施しています。
新潟県は古くより織物産業が栄え、江戸時代より続くこの産地の染色伝統は
守門岳よりこんこんと流れる豊富で清らかな水流によって培われてきました。
産地の気候と水、そして職人の長年の技が独特の色を醸し出します。
中でも現在では世界でこの産地でしか継承されていない特殊な染色技法
スペック染め・マンガン絣、についてご紹介いたします。
スペック染めとは、細かな染料パウダーを手作業でダマ状にまとめ、その一粒一粒がカプセルとなり、糸に付着するとはじける感覚で浸透。
繊維に斑をつくり、かすれた自然感覚に仕上げます。
ひとの手がつくったカプセルは機械のような正確さはなく、職人の技なくしては生み出すことはできない独特な色のグラデーションを醸し出します。
スペック染めは、雪深い新潟産地に生まれ、産地とともに育ってきた特殊染色です。
斑染めであるため、仕上がりの素晴らしさの反面、多少のデメリットも抱えております。
主力産地である見附産地の機業場は、この商品に慣れており、デメリットをカバーして商品をつくっております。
マンガン染めとは、酸化によって発色するマンガンの特性を応用し、マンガン染料を使った生地に酸化剤や中和剤を入れた糊で型染めし熱を使わずに自由に柄を表現する自然に優しい染の技法です。
天候や気温、風の強さによって作業工程に加減が必要になるため、今でも職人の勘を頼りに作られています。
手間がかかり、高価な織絣に対して手軽な染め絣として大正初期に見附で誕生しましたが現在ではこの技術を継承するのは株式会社クロスリードさんだけになっています。
糸染めから織りあがるまで3ヶ月以上かかるため、現在では希少な布として取り扱われています。